創業者・市村清物語◉市村清の人生観◉『市村清実践哲学』より『市村清実践哲学』『□ける経営法□かる経営法』 『市村清実践哲学』第2代三愛会会長 『そのものを狙うな』 『三愛精神』 指導すれど監督せず損得を忘れてしたことが、好結果に闘魂が燃えている限り、行く道をさえぎるものはない自社製品に自信を持て何が一番幸せか、それは後悔のない人生であるアイデアはすべて体験に根差している縁を大事にすること最初からうまくいくことはない常に真実を見よ信念を貫くことが最善の道大和銀行札幌支店主催講演会『中小企業経営の諸問題』(1962)『市村清実践哲学』『市村清講演集』『光は闇をつらぬいて』『闘魂ひとすじに』/ 『市村清実践哲学』『そのものを狙うな』『人の逆をいく法』 『闘魂ひとすじに』 『そのものを狙うな』 『明日への着眼』〝袖振り合うも他生の縁〟とは、なかなか滋味のある言葉だ。縁も〝真心〟によって結ばれるものは何よりも強い。利害だけで結ばれたものは必ず破綻がくる。事業の根底は、真心でなくてはならない。事業に成功するにはどうしたらいいか。どんな仕事も最初からうまくいくというのはありえない。努力に努力を重ね、一つずつ欠点を除いていって、初めて物になる。事業とはそういうものだ。物事は見方によっては全く逆になることがあり、それが誤解を招くことにもなる。社員相互において、常に注意して戒心して、真実を見抜く目を養ってほしい。真実が分かれば、誤解がなく、そこに相互の信頼と心からの団結が生まれる。 『三愛』3号/ 『市村清実践哲学』 自分が正しいと思うことに臆病風は禁物である。商売だけではない。信念を貫くことが人生において自分の運命を切り開いていく最善の道となるのである。「火事場の馬鹿力」ではないが、人間は環境によって、実に大きな能力を発揮する。逆に、気分が落ち込むような環境ではその能力はゼロになる。従業員たちの自己拡張欲を十二分に発揮させるため、「指導すれど監督せず」、すなわち、できるだけ自由に、しかも放任しないという経営方針を掲げた。納期を守るために赤字覚悟で貨車からトラック輸送に変更する、引退する取引先の所長の引っ越しを全従業員を連れて手伝いに行く、‥‥損得勘定なしの行動だったが信用を高めることにつながった。求めてはかえって得られず、損得を忘れての強い責任感による行為が意外な好結果をもたらす。どんな逆境にあっても、希望を失わず人生を生き抜こうとする闘魂が燃えている限り、その人の行く道をさえぎるものは何もない。私は闘魂ひとすじに、闇の壁を破ってきた。セールスマンたるもの、自社製品には絶対の自信を持ちなさい。商品を信じれば売ることが非常に楽しくなる。〝売る楽しみ〟を持っているセールスマンは本物である。自分を押し殺して小さく生きるより、思い切って自分の生き方を貫こう。たとえ、それで失敗しても悔いることはない。悔いのない人生こそ大切だと思う。根拠なしの雲をつかむような工夫だけでは事業として結実しない。アイデアとは、地に足着いた発想とは、すべて体験と実験、不断の努力から生じるものである。明日の自分との競争真の人間の価値は愛の深さ転んだら、起きればいい2 困難な道を選ぶか、安易な道を選ぶか市村清の訓え◉市村清の発想法◉舘林三喜男ある。30代の処し方で人生の勝負の浮沈が決まると言えるかもしれない。安易な妥協はしないで、自分の信じるところに向けて邁進しよう。転んだら、起きればいいではないか。た理由の一つは、ばく大な維持費のためにさらに働かなくてはならないという困難な状況に自分を置くためであった。困難な道か、安易な道か、いずれの道を選択するかで、一生が決まる。私は市村社長から二十年来、数多くの教訓を受けた。今、非常に厳しい競争の中にいる。それは人と人との競争、企業と企業との競争、さらに言えば、時間との競争、つまり、今日の自分と明日の自分との競争でもある。このことをはっきり認識して一層闘志を燃やし、そして、誠意を忘れずに仕事に進まねばならない。すべての動物に自己保存があるように、人間も本能的に自己を愛する。だが、人間は自己を高めていくにつれて、家族や周囲の人々、祖国、世界の全人類を愛するようになる。真の人間の偉さを決定するものは、その人の持つ「愛」の深さと広さではないだろうか。熱海の別荘「清恵荘」にて(1961)リコー三愛グループ合同運動会にて(1968)36歳の時に熱海に別荘をつくっ30代は、人生の基礎工事期間で
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