会誌
すくらっぷ帖
Past feature articles
三愛会の機関誌として1954年に創刊した三愛会会誌。創業者・市村清の思想をはじめ、会員会社の動向や社員同士のコミュニケーションツールとして発行されてきました。
「会誌すくらっぷ帖」では、今までに会誌に掲載した記事の中で、特に人気の高かったものや、発行時の時代を反映した興味深い記事を厳選して紹介していきます。
三愛会会誌88号(1980年発行)
三愛会では、三愛会会員会社社員の皆さんによる『愛の手募金』を1975年12月から実施しており、今年で50年目を迎えました。
『愛の手募金』は、在職中に亡くなった会員会社社員のお子さんのため、少しでも役に立ちたい…という社員からの声を発端に始まった制度で、毎年12月に強化期間を設けて募金活動を実施。集まった浄財を対象のご家族へ“愛の手年末プレゼント”としてお届けしています。
(現在は社員に重度の障がいをお持ちのお子さんがいらっしゃる場合も対象となっています。)
1980年に発行した88号では、さらに広がりを見せる愛の手募金活動の様子が紹介されています。
88号の表紙は、マニラのリサール公園でリコーウォッチフィリピンの皆を撮影したんだ。今号の特集テーマは“もちつもたれつ”。 十五世将棋名人の大山康晴棋士と当時三愛不動産の社長だった弟の市村茂人による対談や、“もちつもたれる”をキーワードに様々な人間関係について社員に聞いたアンケート結果なんかが掲載されているんだ。「互いに助け合うこと」という意味で使われることが多い言葉だと思うけど、今こそ重要なテーマなのかもしれないね。
会社で一生懸命働き、家庭では良き父だった社員がある日突然亡くなって、その悲しみに堪えながら葬儀に出ていたご遺族のお子さんを目にして、ボクも涙が止まらなかった。せめてお子さんが大きくなるまで少しでも手助けしたいという思いから市村遺児育英会の制度が始まったんだけど、この思いは他の社員の皆も一緒だったんだね。何か自分たちにもできることをしたいという思いから、社員の皆が声を上げて出来たのが『愛の手募金』の活動だ。この思いは年々大きく広がって、5年目には前年を3割も上回る1540万円ほどの募金が集まったそうだよ。当時は実行委員が中心になってクリスマスパーティーを開催して、募金から“歳末プレゼント”として遺族の方々に贈呈していたんだ。社員が扮するサンタさんの登場にお子さんも大喜びだったみたいだよ。
今年で50年目という節目を迎えた『愛の手募金』の活動は、現在11月17日から12月31日までの強化期間を設けて募金活動を実施しています。今年も社員の皆さんのご協力により集まった多くの浄財は対象となるお子さんたちにお届けしてまいります。
三愛会会員会社社員たちによる『愛の手募金』の誇らしい活動をこれからも長く続けていけるよう、事務局一同も精進していきたいと思います。