今月の市村清

Monthly

“今月の市村清”―2024年1月編―

三愛精神

―リコー三愛グループのDNA―

2024年、新しい年が幕をあけました。今夏はフランス・パリでオリンピックとパラリンピックが開催されます。市村清は1964年、自国開催の東京オリンピックの開幕を控えた9月に幸恵夫人を伴い「オリンピックはまた次の機会に見ればよいだろう。」くらいの気持ちで日本を後にして50日間の欧米事情視察に出発しました。市村の外遊は多忙を極める日々からの開放と見聞を広め新しいアイデアのネタを見つける時間であったかもしれません。実際に日本初のリース業の開業も自然美を活かした自然との共生を図った観光業の開業も外遊の成果であるとも言えます。

市村が世を去って55年が経ちました。昨年11月、市村の故郷・佐賀を訪ねました。市村が佐賀県に寄贈した市村記念体育館は落成から60年余りが経過した今も異彩を放ち、お会いした佐賀県文化課の職員の皆さんと体育館の話題で交流を深めました。会話が弾み、親近感とともに体育館の運営に携わる職員の皆さんにとって市村記念体育館が特別な存在であることがひしひしと伝わりました。市村の母校、北茂安小学校では1958年に講堂を寄贈したときの記録や在校生の作文が大切に保管されており、「市村先生のような立派な大人になりたい」という趣旨の作文を目にしました。北茂安小学校では独自に小学6年生の授業の中に「市村清について考える」時間を設けているそうです。市村を知らない世代の子供達が故郷の偉人を学び人間形成に役立つものになっていることに嬉しく思いました。

時代は昭和・平成・令和と移り変り、社会、経済、働く環境、人々の価値観も変化しました。人種や民族、宗教、性別そのほかあらゆる多様性が取り込まれたダイバーシティが重要視されている昨今、市村が唱えた「三愛精神」はその全てが網羅されており市村の着眼に驚きます。晩年、「三愛精神は愛という言葉のため、寛容の精神と誤解されやすい。そのため、ややもすればリコー三愛グループにはきびしさが欠如していた」と市村は語っていますが、三愛精神に込めた思いを今再び心に刻み、2024年をスタートしてみてはいかがでしょうか。リコー三愛グループの共通の価値観であり、最も尊い三愛精神を市村から受け継ぎ2024年もひとつひとつ努力を積み重ね、グループ一丸となって共に成長してまいりましょう。

画像:北茂安小学校
北茂安小学校
画像:市村清の胸像
市村清の胸像
今日のひとこと
〜市村清の訓え〜


今日のひとこと 〜市村清の訓え〜