会誌
すくらっぷ帖
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三愛会の機関誌として1954年に創刊した三愛会会誌。創業者・市村清の思想をはじめ、会員会社の動向や社員同士のコミュニケーションツールとして発行されてきました。
「会誌すくらっぷ帖」では、今までに会誌に掲載した記事の中で、特に人気の高かったものや、発行時の時代を反映した興味深い記事を厳選して紹介していきます。
三愛会会誌54号(1965年発行)
6月4日から5日にかけて、三愛会では市村清生誕125年記念の企画で“ゆかりの地を巡る佐賀ツアー”を開催いたしました。我々も当日の進行・運営のため、羽田空港から佐賀へ赴きましたが、羽田空港は今や日本の空の玄関として、多い時は一日に1300回以上の発着がある多忙な空港となっています。給油にかかる時間を省き離発着をスムーズに行うためには、市村が考案し、燃料タンクから地下パイプを通して航空機に直接送油するという“ハイドラントシステム”が欠かせないものとなっています。そんなハイドラントシステムとはどういったものなのか、65年6月に発行された54号で『空港給油とその発展』とするインタビュー記事が掲載されていますのでご紹介いたします。
54号PDF版(抜粋)を閲覧する(PDF 17 MB)

特集『空の玄関』として発行された54号は、羽田空港の縁の下の力持ちでもある「管制」、「整備」、「給油」に注目して、施設の訪問記や対談などが紹介されているんだ。表紙のデザインは、“飛行場”→“広い青空”→“無限の宇宙”→“その中に浮かぶ地球”とイメージを膨らませて表現してみたんだって。



今までの給油方式は、給油車がタンクから燃料を運んできてそれを飛行機に注ぐという方法。これだと大きな飛行機に給油するには何往復もしなくちゃいけない。それを解消する方法としてハイドラントシステムによる給油が考案されたんだ。ハイドラントシステムがどういったものか、図を用いて分かりやすく紹介してくれてるよ。

“水道の蛇口みたいに捻ったら燃料が出たらいいのに…”ボクの言ったひと言から始まったわけだけど、水と違って燃料は品質管理や扱いがとっても大変なんだよ。事故が起きないように安全性を確保しつつ、効率良く給油出来なければ意味が無いしね!皆の努力によってようやく実現出来たんだ。



他にも、海外の空港での給油方法はどうなっているのか、羽田空港の航空給油の今後の見通しなんかについてもインタビューしてるよ。

都心の真ん中にあり利便性の高い羽田空港は、このままだと近い将来キャパオーバーになるだろうって、この時すでに言ってるんだ。新たな空港が出来る可能性も語られているけど、実際はハイドラントシステムの設備の進化に加えて、滑走路の増設や拡張などを続けながら、羽田空港は日本を代表する国際空港の一つとして今もたくさんの人たちを安全に空の旅へ導いてくれてるよ。
