今月の市村清

Monthly

“今月の市村清”―2020年6月編―

儲ける経営法 儲かる経営法

―「か」と「け」の違いー

画像:創業時の明治記念館(前列中央:市村夫妻)
創業時の明治記念館(前列中央:市村夫妻)

6月というとジューンブライドという言葉が浮かびます。結婚式場の明治記念館は市村清が創業したということを皆さんはご存知ですか?それは、戦後まもない1947年のことでした。戦地から復員した人、疎開先から帰ってきた人たちがこれから結婚する際、荒廃した東京には結婚式場などどこにもないことに気付いた市村は、周囲の反対を押し切って結婚式場・明治記念館を創業しました。明治記念館の基本コンセプトとして、経営はいやしくも神宮の名前でやるのであるし、戦地から復員した人たちのためにも暴利を取ってあくどい儲け商売はできない。世の中のために商売すると決めたのです。赤字覚悟でスタートした事業でしたが、この結婚式場が見事に当たり開業早々に黒字になったのです。市村にとって、数多く手がけた事業の中で、開業早々に黒字化を達成したのは明治記念館が最初のことでした。市村はさっそく、この経験を三愛の経営でも試してみました。これまでの利幅を半減させて商品を販売し、2倍、3倍売れたら利益はもとの5割増になるというもの。市村の思ったとおり数を売って利益をもたらす(薄利多売)ことで三愛の売り上げも好調に推移したのです。「儲けようなんて気持ちが強くては駄目だ。儲かるようにならなければ駄目だ。儲けようという気持ちでは限度がある。」と、明治記念館の経営での体験で悟ったのでした。

画像:市村学校の様子(料亭にて、左から2番目が市村校長)
市村学校の様子(料亭にて、左から2番目が市村校長)

のちに、このエピソードは市村を慕って集まった財界、政界、作家、ジャーナリストらの若手と交流した「市村学校」で市村自身が語り、その講義録は「儲ける経営法 儲かる経営法」として三愛新書から出版されました。1960年6月のことです。市村は本書について、『経営学の理論の書でなく体験と実験の書である。私の血と汗の結晶の所産であるといっても過言ではない。儲けるには限界があるが、儲かるのは無限大だということだ。儲けるのではなく、どうか大いに儲かって人生の勝利者となっていただきたい!』と述べています。市村のこの儲けると儲かる「か」と「け」の違いは有名な話です。「儲ける経営法 儲かる経営法」は今年、出版から60年を迎えました。市村の経営哲学は今の時代でも通じるように思いますが、皆さんはどのように感じられましたでしょうか?

今日のひとこと
〜市村清の訓え〜


今日のひとこと 〜市村清の訓え〜