今月の市村清

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“今月の市村清”―2021年1月編―

スポーツの持つ力

―リコーラグビー部 全国社会人大会出場を激励—

画像:全国社会人大会の準決勝 試合前に激励(1968年1月) 
全国社会人大会の準決勝 試合前に激励(1968年1月) 

2021年、新たな年を迎えました。一昨年、日本中を感動の渦に巻いたラグビーW杯。その余韻はトップリーグに引き継がれましたが、昨シーズンは新型コロナウイルスの感染拡大の影響でリーグ戦は途中で中止となりました。そして、満を持して今シーズンのトップリーグが1月に開幕します。超一流のトップ選手のプレーを間近で観戦すると、そのスピードと躍動感あふれるプレーには胸躍るものがあります。

ところでスポーツに深い関心のあった市村清は1953年にのちにリコーラグビー部(現リコーブラックラムズ)となるラグビー同好会を発足しました。社員同士の交流や社内の一体感の育むためにもスポーツの持つ力が大きいと感じていたからです。東京都世田谷区に土地を購入して、砧グラウンドを造成したのもその思いの表れです。砧グラウンドはラクビーの練習グラウンドとしてだけでなく、グループ各社の社員を集めて開催した大運動会などにも使用されました。大運動会ではグラウンドいっぱいに繰り広げられる熱戦に拍手を送り、時には自ら競技に参加するなど、市村自身が社員や家族の中に入って一体感を共にすることが大好きでした。スポーツの持つ力、それは皆の心をひとつにします。ラグビー場での勝利を祈って声が枯れそうになるまで応援するファンや社員の姿は圧巻です。時にその声援は、選手を後押しして渾身のプレーに繋がります。選手の活躍に一喜一憂して応援する一体感。これは、まさに市村が描いていた心をひとつにする理想の姿であったと思います。
リコーラグビー部が全国社会人大会に初出場し準決勝進出まで駒を進めた1968年1月、居ても立っても居られなくなった市村は大阪の花園ラグビー場に駆けつけて試合直前の選手たちを激励しました。結果は6対21で敗退。しかし市村は戦い終えて泣いている選手たちの姿に感動を覚えていました。その年の12月16日に市村が他界。市村に全国大会で優勝して日本一の栄冠に輝く姿を見せることが叶わなかったラクビー部はそれから2年後、全国社会人大会で初優勝し市村の墓前に優勝報告することができました。その後もラクビー部の躍進は続き、1974には2年連続日本一に輝きました。2021年もリコー三愛グループは、市村の思いを継承して喜ばしいときも苦しいときも心をひとつにして邁進してまいりましょう。

*決勝は新日鉄釜石と戦い同点のため両チーム優勝

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今日のひとこと
〜市村清の訓え〜


今日のひとこと 〜市村清の訓え〜